10大技術トレンド:なぜオープンソースが主役なのか - パート1 | SUSE Communities

10大技術トレンド:なぜオープンソースが主役なのか – パート1

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オープンソースソフトウェアのイメージが変わってきました。主流のソフトウェアの代用として、マニアックで、やや扱いにくいものと見なされていた時代は終わり、今ではトレンディで、ファッショナブルで、超クールな存在になりました。

しかし、それでもまだマニアックな側面は有り、それこそが技術革新の拠り所でもあります。とは言え、中小企業から大手ハイテク企業、グローバル企業までが、戦略の中核にオープンソースを位置づけるまでに成長し成熟しました。

もはや戻ることはありません。オープンソースは、プロプライエタリのアプローチやソリューションに対して、実用的で強力な代替手段を提供するまでになりました。オープンソースプロジェクトは、私たちを取り巻く世界を再形成している戦略的な技術トレンドの上位すべてにおいて、主導的な役割を果たしています。たとえ近い将来に使用する予定がなくても、これらのトレンドを理解してフォローすることが極めて重要です。

ここで理解を深めていただくために、10大技術トレンドと関連するオープンソースプロジェクトを、2回にわたりブログシリーズで解説します。それでは、今すぐフォローしなければならない上位の5大技術トレンドから紹介しましょう。

1.人工知能(AI)/ 機械学習(ML)

ガートナーによると、AIから派生したビジネス価値は、今年は1.2兆ドルとなる見込みです。カスタマーサポートやチャットボットから金融、調査、機械学習、データセンター運用、セキュリティの自動化にいたるまで、ありとあらゆるところに影響を及ぼすことが予測されています。

AIとMLには、巨大なデータセットと高速データ分析を可能にする計算能力が必要です。多くの組織ではこれを実現するために高性能コンピューティング(HPC)ソリューションを使用していますが、HPCの世界での王者はLinuxです。

AI、ML、ディープラーニング、予測分析、ニューラルネットワークは、技術研究にとって今最も注目されている分野ですので、オープンソースプロジェクトが重要な役割を果たしているのは不思議ではありません。TensorFlowCaffeH2OMahout、そしてMLlibは主要な例ですが、他にも多くのオプションがあります。Datamation.comKDnuggets.comのサイトで、これらのリストをご覧ください。

 

2.ロボット工学

ロボット工学は、私たちの職場環境と文化に深い影響を与えていきます。

私たちはすでに、製造、農業、倉庫、医療手術、自動化にロボットを使用しています。近い将来、人間と一緒に働き効率と生産性を向上させる、コラボレーションロボット、またはコボットと呼ばれるロボットを数多く目にするようになることが予測されています。

ロボット工学の世界は、ハードウェア、ソフトウェア、ロボットシミュレータに焦点を当てたオープンソースプロジェクトで溢れています。その一例は、Linux上に構築されたオープンソースプラットフォームであるROS(Robotics Operating System)です。ROSでは複雑なロボットの設計と制御を容易にするツールとライブラリを提供しています。

さらに多くのプロジェクトが利用可能です。オープンソースロボティクスのWikipediaのページにこの分野のオープンソースオプションが詳しく書かれています。

 

3. IoT(モノのインターネット)とエッジコンピューティング

ガートナーの予測によれば、2020年までに260億のIoTデバイスが出現し、IDCは、2021年にはIoTの支出が約1兆4000億ドルに達すると予測しています。それは信じられないほど著しい成長スピートです。

IoTは、より賢く、より接続された世界に向かっています。すでにIoTソリューションは、製造、貨物輸送、農業、資産管理、スマートインフラストラクチャ(家庭、ビル、都市)、スマートユーティリティ(電気、ガス、水道)、さらにコンテキストマーケティングでも導入されています。IoT適用分野のリストは、世の中に出回っている奇妙なIoT付きグッズを除いたとしても、相当の長さになります。

大部分のIoTデバイスは、組込みLinuxを使用しています。組込みLinuxは、シンプル、軽量で、必要リソースが少なく、低コストのリアルタイムOSを求めている場合に、極めて理にかなったOSと言えます。

IoTネットワークのエッジに処理と計算機能を移動する場合には、分散型クラウドモデルとしてOpenStackが広く使用されています。

その他のオープンソースのIoTオプションをお探しの方は、詳細について、Linux.comまたはPostscapes.comをご覧ください。

 

4. 自動運転車/ドローン

今、自動運転車は大変ホットな話題になっています。2020年には商用化されそうですが、おそらく世の中に大きな影響を及ぼすのは2025年以降でしょう。

一方、ドローンについては、ガートナーによると昨年出荷された個人用または商用のドローンが約300万台に達したとのことです。

これらの技術が本当に離陸すると(ダジャレですが)、自動運転車とドローンは近代史における最も重要な進歩になるでしょう。

自動運転車は、堅牢で安全なOSで動作する必要があります。もしハッカーがこのシステムに侵入したらと想像するだけでも恐ろしいことです。テレメトリー、マッピング、カメラ、センサー、距離測定、マシンビジョン、機械学習なども必須技術になります。

自動車メーカーは、オープンソースにおける協業と連携のアプローチこそが、これらの多くの課題の解決を容易にすることを認識し始めています。Automotive Grade Linux(AGL)およびOpenCVの人気が高まっており、あのテスラでさえ最近オープンソースのLinuxコードを公開することを決定しました。

ドローンに関しては、非常に多くのオープンソースプロジェクトの選択肢があります。このCaldat.comリストでオプションをご覧ください。

 

5. ビッグデータと分析

ビッグデータ分析は、無視することのできないもう1つの重大な技術動向です。IDCは、この市場が銀行および製造業への投資を中心にして、2020年まで2,100億ドルに達すると予測しています。

ビッグデータとデータ分析は、IoT、AI、ML、クラウドコンピューティングなど、他の多くのトレンド技術分野における共通のテーマです。

ここでもオープンソースは、この分野で必要とされる、最先端のRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)、分析エンジン、分散コンピューティングソリューションを数多く提供しています。たとえば、EDB PostgreSQLMariaDBMongoDBApache SparkApache CassandraApache KafkaHadoopなどがあります。

さらに、クラウドに導入されたすべてのOpenStackの4分の1が、ビッグデータやデータマイニングのワークロード実行に使用されています[1]

そしてもう1つ、紹介する価値のあるオープンソースプロジェクトがあります。今、指数関数的に増加するデータを管理することが大きな課題となっています。企業は、ビッグデータと分析への対応で、ストレージの種類、容量、速度を慎重に検討する必要に迫られています。

Cephは、この問題を解決するのに役立つオープンソースのソフトウェア定義型ストレージソリューションです。このSUSEブログを見てその理由を確認してください。

 

近日公開…

パート2ではそこで10大技術トレンドの残りの5つについて紹介し、オープンソースが注目されている理由を解き明かします。

 

 

※このブログは10 Top Tech Trends: Why Open Source is Center Stage – Part 1の抄訳になります。

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