Share

著者:SUSE Asia Pacific & Japan、チーフテクノロジスト、ピーター・リース(Peter Lees)

組織がかつてないほどデジタル駆動型に変容しつつある世界において、エンタープライズリソースプランニング(ERP)システムは、例えて言うと、アイアンマンのコミックや映画に出てくるスタークインダストリーズ社が開発したアークリアクターのようなものです。つまりビジネス全体を支える包括的なエネルギー源といえます。

財務、人事、製造、サプライチェーン、サービス、調達など、企業に欠かせないすべてのコアプロセスを考えてみましょう。ERPは、これらのプロセスを単一のシステムに統合し、データ分析などの新しいテクノロジーを適用してデータを掘り下げます。その結果、興味深いパターンを発見し、アクションにつながる知見を提供してビジネス運営を改善します。

しかし、ERPシステムに使い易さと拡張性が欠如している場合は、企業の成長を阻害し、財務の健全性を危険にさらす可能性があります。シンガポール商工会議所が実施した、企業が破壊的技術に直面した際の課題を明らかにする「年次ビジネス調査2018(Annual Budiness Survey 2018) 」によると、ビジネスオーナーの32%近くが、デジタルトランスフォーメーションを推進するに当たっては、コストの上昇に加えて、適切なベンダーを見つけることに苦労していることがわかりました。

ビジネスの目標を念頭に置いて、ERPシステムのアップグレードを決断した場合でも課題は残ります。あらゆる組織が懸念していることは、サービスのアップタイム、データ品質、ビジネスプロセス、統合などをハイレベルに保ちながらシステム全体を最新の状態に維持できるのかということです。ERPのアップグレードと移行の悩みは大変深刻ですが、克服できないわけではありません。

現在、SAP S/4 HANAを使用していないSAP ERPのお客様にとって、2025年は重要な年になります。この年にレガシーなERP Business Suiteのサポートサービスが終了するからです。ほぼ「Y2Kに匹敵する」問題になります。お客様がHANAインメモリデータベースに移行することには大きな価値があります。IDCの調査によると、回答したSAPのお客様のほぼ半数が複数のERPシステムを1つに統合することを計画しており、SAP S/4HANAがお客様の業務遂行に必要不可欠な要素であることがわかりました。その理由は、SAP S/4HANAによって、デジタルトランスフォーメーション戦略を最適化し、俊敏性と可視性を向上させ、コストと情報処理時間を削減できるからです。

 

オープンを主張する

SAPを包み込み支えるインフラストラクチャは、デジタルコアと呼ばれています。SAPは、単一のデジタルコアに焦点を当てることでインフラストラクチャを簡素化します。また、この簡素化されたインフラストラクチャは、相互運用性と堅牢性を可能な限り高めるために、Linuxとオープンソース上に構築されています。

SAPinsiderが発行した最近のベンチマークレポートによると、回答者の60%がSAP S/4HANAの導入を支えるためにクラウドへのデプロイを採用しています。Linuxは、その汎用性によりコンテナ環境を強力にサポートし、クラウドでもオンプレミスでも同じ様に実行されます。オープンソースは、ポータブルで、安全で、しかも多用途であることに加えて、クローズドソースのプロプライエタリなソフトウェアに関わるベンダーロックインも回避します。

HANAへの移行は避けられないかもしれません。しかし、SAPのお客様は、SUSE Linux Enterprise Server for SAP ApplicationsのようなSAPがサポートしているOSを選択して使用することにより、従来の大規模アップグレードと比較して試行の回数が減り、苦労少なく移行することができます。SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsは、SAP自身が自社のソフトウェアとシステムを開発および構築するために使用しているプラットフォームです。

目標を見失わない

SAPのお客様が、既存のSAPランドスケープに移行する場合、新たにSAP HANAを導入する場合、またはクラウドかオンプロミスを選択する場合において、適切なオープンソースソリューションを見つけることは、デジタルビジネスに適したインフラストラクチャを構築するうえで大きな違いをもたらします。

デジタルトランスフォーメーションの加速は、SAPアプリケーションをSUSEで実行してデータインテリジェンスを解き放ち、イノベーションを推進し、最高の状態で実行することから始まります。SAPとSUSEには、SAP Linux Labでの20年にわたる共同テストと開発、およびSAP Cloud Platformに取り組んでいる共同開発チームなど、協業の長い歴史があります。

  1. 不安をなくす

企業は、移行のトラブルを軽減するために、システムの完全な無料監査を実施してもらうことにより、SAP HANAへのアップグレードに必要な変更に伴う不安を和らげることができます。

SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsには、根拠のない推測を排除するための、次のような独自の機能が多数あります。SAP S/4HANAおよび関連アプリケーションの導入を簡素化し加速するSAP Installation Wizard、Microsoft SQLサーバーベースのシステムからLinuxへの移行をサポートするツール、SAP Technical Noteの自動適用に基づいたSAP HANAおよびSAP S/4HANAの効率的なパフォーマンスチューニング、オペレーティングシステムがワンクリックで完全なシステムロールバックを実行し、問題が発生した場合に超高速リカバリを実行する機能。

  1. ダウンタイムを最小化

すべてのSAPのお客様は、SAP S/4HANAへの移行が避けられないことは理解していますが、ほとんどが移行プロジェクトの複雑さと長い期間に不安を感じています。SUSEは、SAPアプリケーションとデータベースのダウンタイムゼロに向けて取り組んできました。SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsは、OSをアップデートする間に、移行するためのさらなる時間を提供し、高可用性のためにシステムをクラスター化するのに必要なすべてのソフトウェアを含み、最小限のダウンタイムでマイナーリリース間でのライブアップデートを実行できます。SUSE Linux Enterprise Live Patchingは、安定性と最新のセキュリティを確保するために、再起動することなくOSカーネルにパッチを適用できます。これは、SAPアプリケーションを中断することなく、計画的なダウンタイムを削減しながら、システムのセキュリティを維持できることを意味します。

  1. データをアクションに変える

SAP S/4HANAは、デジタルエコノミーにおける企業運営を簡素化します。SAP HANAに切り替えることで、お客様は、人、デバイス、ビジネスネットワークに接続し、新しいレベルの効率性と俊敏性を手に入れることができます。

今日のお客様は、ビッグデータ機能とIoT(モノのインターネット)ソリューションを活用して、すべての事業部門でデータをアクションに変えることができます。SAP HANAのインメモリデータベースは、計画、実行、予測、シミュレーションなど、あらゆるソースからのデータをリアルタイムで洞察するためのデジタルコアを提供します。SAP S/4HANA ERPスイートへのデジタルトランスフォーメーションが完了すれば、意思決定をその場で行い、迅速にビジネスへ反映することができ、インテリジェントエンタープライズの時代において付加価値を生み出します。

現代のように競合が激化したビジネス世界で際立つために、企業はより速く、よりシンプルで、より柔軟なテクノロジーソリューションを求めています。移行の複雑さを排除するERPシステムを選択したうえで、エンタープライズクラスのオープンソースの能力を活用してください。これが、自由を象徴するスーパーヒーローのような組織が実行すべきことでしょう。

 

このブログはPeter LeesがData&StorageAseanに寄稿した Powering up Business with ERP Systemの抄訳です。

 

Share
(Visited 1 times, 1 visits today)

Category: Alliance Partners, Digital Transformation, Enterprise Linux, Expert Views, Partners, S/4HANA, SAP Solutions, SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications, Technical Solutions
This entry was posted 水曜日, 29 1月, 2020 at 1:43 pm
You can follow any responses to this entry via RSS.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

No comments yet