サブスクリプションをご購入いただくと、SUSE Linuxおよびオープンソースソフトウェアを最大限活用できます。SUSE製品について、知識と経験を豊富に備えたパートナーが、エンタープライズクラスのテクノロジーインフラストラクチャの構築に必要な専門知識、サポート、修正、アップグレードを提供します。


SUSE Linux Enterprise for High Performance Computing (SLE for HPC)はSUSE Linux Enterprise Serverと同じ配布パッケージをベースに構築されていますが、ハイパフォーマンスコンピューティング環境固有の要件(特にHPC環境の大規模性など)に合わせてカスタマイズされた、独自の利用規約とコスト効率に優れた価格を採用しています。

HPC環境の規模と複雑性を考慮して、SUSE Linux Enterprise Server for High Performance Computingは弊社の直接セールスチームおよびパートナーを通じてのみ販売しております。

一般に、HPCクラスターは2種類のシステム(ヘッドノードと計算ノード)で構成されます。ヘッドノードは一般に、ワークロードスケジューラー、入出力管理、共有ファイルシステムのホスティング、ログインノード、クラスター認証などのタスクを実行し、クラスターの管理機能を提供します。計算ノードは、その名のとおり、HPCワークロードに必要な処理能力のみを提供します。

HPCクラスターの特長は、1つのシステムでは対応できない大規模な計算タスクを遂行するために、すべてのシステムが大量の演算や入出力の実行に集中する点にあります。「HPC」に該当するワークロードと構成については、SUSE Terms and Conditionsをご覧ください。

SUSEではHPCに単一の価格設定を採用しており、HPCヘッドノードとHPC計算ノードの両方に同じ製品を使用しています。すべてのHPCクラスターシステムでシンプルかつ共通の価格設定を採用するほうが分かりやすいと考えているためです。

HPC環境では、複雑な問題を解決するために数千台のシステムを使用する場合があります。しかし、この数千台のシステムはランダムに集められたものではなく、すべての計算ノードが同じコピーのOSで大規模なワークロードのサブタスクを実行することで、1つのクラスターを形成しています。そのため、HPCのサポートは汎用システムのサポートよりも低コストです。

セールス

通常、OSベンダーが提供するHPC環境向けサブスクリプションは低コストとなっています。HPCはサポートコストが低く、多数のシステムが必要とされるためです。SUSEは、SLES for HPCやSLES for HPC with ESPOSなどのHPC環境向けSUSE Linuxを提供しています。SLES for HPCには独自の前提条件と制限事項があるため、お客様が直接ご購入いただくことはできません。SUSEビジネスパートナーまたはSUSE直接販売担当者を通じてご購入いただく必要があります。

また、SUSE HPC製品の全面的な見直しの一環として、大幅な値下げを実施しました。これにより、HPCワークロードを使用する組織にとって、SUSE Linuxはより魅力的な製品となっています。MeltdownやSpectreなどのセキュリティ問題が最近発生したことを受け、これらの問題に迅速に対応できるSUSEのような強力なパートナーの存在がますます重要になっています。

HPC環境では、複雑な問題を解決するために数千台のシステムを使用する場合があります。HPCの利用において最大の課題の1つが、クラスター上で実行されるソフトウェアスタックの管理です。ソフトウェアスタック、および基盤となるOSをすべてのクラスターノードにインストールした後、更新または変更は非常に煩雑です。OS、特にセキュリティコンプライアンス要件の対象となるシステムのOSのサポート期間は重要です。

SUSEは特定のSUSE Linuxリリース(SLES 12など)の新しいサービスパックをおよそ12ヶ月ごとにリリースしています。各サービスパックのサポート期間は約18ヶ月です。この18ヶ月は、前のサービスパックのサポート期間と新しいサービスパックのサポート期間の6ヶ月の重複を含みます。この6ヶ月の重複期間を経過すると、新しいサービスパックにアップグレードするか、長期サービスパックサポート(LTSS)を購入しない限り、新しい修正を受け取ることができません。

そこで、SUSEはHPC向けに新しいサブスクリプションの提供を開始しました。このサブスクリプションでは、各SUSE Linuxサービスパックのサポート期間を延長しています。この追加のサポート期間を、拡張サービスパック延長サポート(ESPOS)と呼びます。ESPOS付きのSLES for HPCサブスクリプションをご購入いただくと、サポート期間が1年延長され、合計18カ月となります。これにより、アップグレードの猶予期間が延長され、その間はサービスパックを一切適用しないことが可能になります。SLES 12 SP3 for HPCは、ESPOSによってサポート期間が12カ月延長される最初のサービスパックとなります。

HPC向け長期サービスパックサポート(LTSS)では、重要なシステムの問題やセキュリティの問題に関する電話サポートと修正を、通常のサービスパックのサポート終了から最大3年間にわたって受けることができます。HPC向けLTSSは、1年単位でご購入いただけます。この新しいLTSS for HPCは、SLES for HPCサブスクリプションのサポート期間を延長するためにのみ使用できます。LTSSに加えて、ベースとなるSLES for HPCサブスクリプションを保持している必要があります。

これらのサブスクリプションは次のHPCクラスターにおいてご購入いただけます。

製品 メリット デメリット
SLES 12 for HPC
(スタンダードまたはプライオリティ)
価格が最も安い サポート期間は標準の18ヶ月
SLES 12 for HPC with ESPOS
(スタンダードまたはプライオリティ)
サポート期間は30ヶ月 初期購入価格が高い
HPC向け長期サービスパックサポート (LTSS for HPC)
(SLES for HPCサブスクリプションが必要)
必要に応じて購入可能サポート期間は最大54ヶ月 総コストが最も高い

SLES for HPCは新しいクラスターの購入時または既存のクラスターの更新時にご購入いただけます。更新時に標準SLESサブスクリプションからSLES for HPCに移行することができます。クラスター内のすべてのHPCノードに同じサブスクリプション(SLES for HPC with ESPOSなど)を保持する必要があります。同一クラスター内でESPOS付きのサブスクリプションとESPOS付きでないサブスクリプションを混在させることはできません。また、クラスター内のすべてのノードについて、LTSS for HPCをご購入いただく必要があります。

長期サポートを必要とする場合は、サービスパックごとに最大30ヶ月のサポートを利用できるSLES for HPC with ESPOSが最もコスト効率に優れたソリューションとなります。標準の18ヶ月のサブスクリプションを購入して1年間のLTSSを追加するより、SSLES for HPC with ESPOSをご購入いただく方が低コストとなります。30ヶ月を超えるサポートが必要な場合は、ESPOSのサポート期間終了後にLTSSサポートを追加購入して、2年間延長できます。

HPCユーザーが必要とするパッケージの中には、SUSE Linux for HPCのサポート対象コンポーネントとしてHPCモジュールに含めることに適さないものもあります。たとえば、広く普及していないパッケージや開発の初期段階にあるパッケージなどは、HPCモジュールに含まれていません。これらのパッケージには、Package Hubから簡単にアクセスできます。現在Package Hubでは、HPCコミュニティにとって有益ないくつかのパッケージ(singularity、robinhood、clustershellなど)を提供されています。