Elektrobit:オープンソースと SUSE により加速する自動車の未来

ハイライト

  • 機敏性と相互運用性
  • エッジコンピューティング機能
  • 15 年間の製品ライフサイクル・サポート
  • ベンダー・ロックインを排除した真のオー プンソース環境
  • 強化されたセキュリティ
  • シンプルな導入
  • ワールドクラスのエンジニアリング
  • 自動運転の将来の基盤の構築—Safety Linux

製品

  • SLE Embedded Systems

Elektrobit (EB) は、自動車業界向けの組込みおよび接続ソフトウェア製品とサービスのプロバイダーです。Continental AG の完全子会社で、受賞歴を有し、明確な将来のビジョンを持ったグローバル・サプライヤーです。

概要

自動車用ソフトウェアソリューションのリーダーであるElektrobit は、来たるべき自動運転の時代に備えて安全な基盤を構築するために、オープンソースに注目。

デジタル革命の波が自動車業界に

学習、コミュニケーション、仕事のあり方を大きく変えたデジタル革命は、私たちの運転のあり方も大きく変えようとしています。技術的な成熟が進歩を可能にすると考え、自動車業界は2025 年までに、自動運転やコネクティビティ機能のための自動車用ソフトウェアに520 億ドルの投資を行うとしています。その結果、自動運転ソフトウェア市場は、2019 年から2025 年の間に年平均成長率17% で拡大し、2030 年にはソフトウェアが自動車価格の30% に達すると予想されています。こうした変化に対して、現代の自動車産業を改革する最前線にいるベンダーやメーカーが熱い視線を注いでいます。

「ソフトウェアの鍵となるのは自由度と柔軟性です。メーカーは、 自動車の開発でオープンソース・ソフトウェアを利用することで、 基本となるテクノロジーを基にイノベーションを推進し、独自の革新的なテクノロジーを搭載することができるのです」

Elektrobit:未来の自動車ソリューションを推進

そのような革新的なベンダーの1 つがElektrobit です。Elektrobit は1988 年に設立され、現在はContinental AG( 大手多国籍自動車部品製造会社) の完全所有子会社となっており、自動車業界に組込みおよびコネクテッド・ソフトウェア製品およびサービスを提供しています。同社の先駆的なソリューションは、これまでに1 億台を超える車両の10 億個以上のデバイスで採用されており、コネクテッドカーのインフラストラクチャ、マン・マシン・インターフェイス・テクノロジー、運転支援、電子制御ユニット、ソフトウェア・エンジニアリング・サービスをサポートしています。アウディ、BMW、フォード、メルセデス、テスラ、VW などの世界的に有名なブランドを顧客として抱え、これらの自動車メーカーがエンドユーザーに対してソフトウェアをベースとした魅力的な製品やサービスを提供するお手伝いをしています。

今日の自動車メーカーは、ソフトウェアを活用して新しい運転スタイルを生み出しています。そのため、Elektrobit は、自動運転の開発を目指すメーカーにとって戦略的に重要なベンダーとして存在感を高めています。

自動化への障壁

ハンズフリー運転は、もう夢物語ではありません。専門家の予測によると、2040 年には総輸送人キロの66% が自動運転車によるものとなります。あらゆる自動車で自動運転が採用されるようになれば、社会全体に非常に大きなメリットがあります。運転の必要がないため車を仕事の場として使えるだけでなく、交通事故が減ることで医療費も削減できます。カーシェアリングが普及して個人で自動車を所有する人が少なくなると、交通渋滞も緩和されるでしょう。

業界全体で競ってこのような先進技術の開発が行われるなか、Elektrobit では、競争力を維持する最良の方法を考慮しつつ、この努力に伴う次のような難しい課題に取り組んでいます。

  • 膨大なコード:今日のコネクテッドカーは、 1 億行にもおよぶコードに基づき動作しています。完全な自動化を実現するためのコードをさらに追加するのは、非常に複雑な作業となります。
  • 相互運用性:さまざまな自動車メーカーのシステム要件に対応できるソフトウェアにする必要があります。
  • 安全性:地域ごとに異なる安全性に関する政府の規制に準拠する必要があります。
  • サイバーセキュリティ:これも自動車メーカーが政府機関と手を組んで取り組むべき重要な課題です。アップデート、交通情報、診断の詳細情報などのアップロードとダウンロードを強固なセキュリティで保護できる環境を構築する必要があります。

Elektrobit は、相互運用性を持つ革新的なソフトウェアを迅速に提供するとともに、安全性に関する各種の要件および規制に対応するためのパートナーを必要としていました。同社は、オープンソースの世界にそのようなパートナーが見つかると考え、パートナーを探し始めました。

オープンソースのパワーを自動車業界に

データセンターから公道に至るあらゆる場所で発揮されるオープンソースの価値は、「数の力」によりもたらされます。硬直的な組織に縛られず自由にイノベーションを推進できる世界中の開発者が集まり、実社会の課題を解決するテクノロジーや、自動運転などの最先端テクノロジーを実現するコードをLinux コードベースに追加しています。

Elektrobit のPresident of Automotive Business Segment 兼Managing Director であるAlexander Kocher 氏は、誰でもアクセスできるコードベースの価値について次のように述べています。「透明性が確保されているため、エンドユーザーやメーカーがともにシステムの詳細を把握することができます。このような透明性により、問題や脆弱性を迅速に検知でき、その結果管理能力を高められます。オープンソースのソフトウェアは、よりセキュアでお客様の信頼を勝ち取ることのできる製品やサービスの提供につながるのです」

Kocher 氏はこう続けます。「自動車業界では 10 年以上にわたってオープンソースが使われており、現代の自動車において、特に、インフォテインメントや通信システムの分野では標準とみなされるようになっています。オープンなソフトウェアの鍵となるのは自由度と柔軟性です。メーカーは、自動車の開発でオープンソース・ソフトウェアを利用することで、基本となるテクノロジーを基にイノベーションを推進し、独自の革新的なテクノロジーを搭載することができるのです」

つまり、Elektrobit は既存の資産を活用することができたのです。すでに提供されている数百万行のコードをベースにしてイノベーションを迅速に進め、自動運転をすばやく実現に導いています。

Elektrobit ではLinux ベースのソリューションを必要としていたため、600 近くのLinux 配布パッケージから適したものを選ぶ必要がありました。そこで、強固で、サポートが提供されており、柔軟性と信頼性が高く、セキュアなエンタープライズバージョンのLinux 配布パッケージを選ぶことにしました。

SUSE はこれらの条件を満たすだけではなく、SUSE をパートナーとすることで、ソフトウェアのイノベーションを加速できるとともに、各地域の安全性に関する要件や規制への準拠もサポートできることがわかりました。

SUSE でオープンソースのイノベーションを推進

SUSE は、初のエンタープライズ・ディストリビューションとして市場に投入された1992 年以来、堅牢なLinux インフラストラクチャを企業に提供してきた長年の実績があります。また、2008 年以降は強化されたエンタープライズLinux ソリューションを自動車業界に提供しています。現在、SUSE のソリューションは大手自動車メーカー15 社のうち12 社に採用されていますが、Elektrobit が注目したのはそうしたSUSE の実績だけではありません。

データセンター、クラウド、組込みのいずれのシステム開発においても、SUSE はオープンソース・テクノロジーに力を入れることにより、真のオープン環境を確保しています。SUSE のオープンソース哲学は、ベンダー・ロックインの排除、選択肢の提示、予定どおりのコスト削減というお客様中心の考え方に基づいています。

さらに、15 年間の製品ライフサイクル・サポートをはじめとする強力なサポート契約により、Elektrobit のような企業は、アップデートやパッチ競争に時間を取られることなく、イノベーション開発に集中することができます。

組込み技術のリーダーであるElektrobit は、SUSE の柔軟な組込みビジネスモデルにも共感しました。SUSE とのパートナーシップにより、自動運転を実現するために必要なシステムに使われるデータの収集、処理、管理、保存のための高度な手法を備えた、エッジコンピューティング用に強化されたセキュリティシステムを構築することができました。SUSE のビジネスと技術開発に対する真のオープンソース・アプローチを見て、Elektrobit はSUSE とパートナーシップを結び、将来の基盤を開発しました。それがSafety Linux です。

Safety Linux とは

Safety Linux は、エッジコンピューティング・システムやネットワークを通じて自動運転を推進する自動車メーカーや産業界のために設計された組込みLinux ソリューションとなる予定です。比類のないセキュリティ、インテリジェントなコンピューティング能力、オープンソース開発の強みを備えたSafety Linux は、いずれ消費者の信頼を獲得して普及し、自動化イノベーション推進の基礎となるでしょう。信頼性と拡張性を兼ね備えた安全な認証環境に、インテリジェントでリアルタイムなデータ駆動型の意思決定機能を導入できます。

セキュリティと柔軟性という二元的なニーズに対応し、古いシステムとも連携して将来のテクノロジーと同様に効果的に機能します。シームレスな相互運用性を持ったさまざまなコード言語を採用しており、メーカーの企業秘密や地域当局の要件に透過的に対応します。

SUSE は、エンドユーザーにとっての高可用性とレイテンシの低減を実現し、一刻を争うミッションクリティカルなアプリケーションの予測可能性と信頼性の向上を目指すElektrobit を支援するために、SUSE Linux Enterprise Server の優れた機能とSUSE Linux Enterprise Real Time のカーネルを自動車業界向けの統合された軽量プラットフォームに統合しました。その結果、自動車メーカーは自動運転を次のレベルに引き上げるために必要なセキュリティ、コネクティビティ、信頼性を手にすることができます。

結論

自動運転の場合、エラーは一切許されません。消費者は、人間の運転の予測不能性は認めても、自動運転車の不確実性は許容しません。システムに不具合があると、一晩で業界の方向性が変わってしまうかもしれません。SUSE は幅広い業界のお客様やパートナーが抱える複雑な問題の解決を支援するためにグローバルなパートナー・エコシステムとオープンソースの精神を備えた世界最大の独立系オープンソース企業として、自動運転の導入に対する世界的な信頼を醸成すべく、非常に慎重にSafety Linux の開発を進めるElektrobit を積極的に支援しています。

メーカーやベンダーは、一度しかないチャンスに正しく対応しないと、何年もの停滞期間が発生するかもしれません。Elektrobit は成功の大きなチャンスを掴むことを目標に、SUSE を通じてオープンソースの独創性を活用することを決断し、自信を持って前進しています。