SLES11 SP2へのアップデート後に、マルチパス デバイスのパーミッション設定が無効になる
(SLES11SP2のudevとデバイスマッパーの統合)

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環境

SUSE Linux Enterprise Server 11 Service Pack 2

状況

SLES11 SP2へのアップグレード後、(multipath.confの)カスタム パーミッション設定は無効になります。

解決方法

SLES11 SP2 リリースノートに記載されているように、デバイス マッパーのパーミッションは udev を使って作成されるようになりました。 マルチパス デバイス ノードのカスタムパーミッションを設定するには、以下の手順に従ってください:

  1. サンプルのデバイス マッパーのパーミッション ルール ファイルを /etc/udev/rules.d へコピーします。
    cp /usr/share/doc/packages/device-mapper/12-dm-permissions.rules /etc/udev/rules.d
  2. 必要に応じて /etc/udev/rules.d ファイルをカスタマイズします。
  3. 必要な変更を行った後、マルチパス マップをフラッシュおよびリビルドします:
    multipath -F
    multipath -v2

原因

SLES11 SP1では、マルチパス デバイスへのパーミッションは、下記のシンタックスを使って /etc/multipath.conf へ設定していました:

multipaths {
multipath {
wwid 36000601088400c0823cf3d27300011e1
alias oracle_data
mode 0660
uid 502
gid 505
}
}

上記のシンタックスによって、/dev/mapperにある MPIO デバイス ノード が指定された uid、gid および 他のアサイメントを受け取れるようになり、それによりデバイスへの対応するアクセスが許可されていました。

SLES11 SP2では、デバイス マッパーは udev と統合されました。 これにより、udev ルールを活用出来るようになり、今までより柔軟にデバイス ノードの作成が出来るようになりました。 udev とのこの同期により、udev ルール実行中のデバイス変更時のレース条件を回避する事も出来ます。 Udev 統合により、/dev/mapper にあるデバイス ノード がシンボリックリンクに変更されました。実際のデバイス ノードは /dev/ (dm-* デバイス)に移りました。 これらのデバイスのパーミッションを設定するには、 udev ルールを使用しなければなりません。

サンプルの デバイス マッパーのパーミッションの udev ルールファイルは /usr/share/doc/packages/device-mapper/12-dm-permissions.rules です。 このファイルは、/etc/udev/rules へコピーし、必要に応じて変更して使うことが出来ます。 上記例の multipath.conf パーミッショを udev シンタックスにコンバートするには、12-dm-permissions.rules ファイルの LABEL="dm_end" 行の前にに以下のエントリが必要です:

ENV{DM_UUID}=="ora?*", OWNER:="grid", GROUP:="oinstall", MODE:="660"

Udev ルールは非常に柔軟性があります。 拡張ルールのために、デバイスを識別する為に使用するフィールドの完全なリストが必要な場合は、以下の方法で分かります:

udevadm info --query=all --path=/sys/block/dm-1

("dm-1" を適当なデバイス マッパー ノードで置き換えてください。)

カスタム パーミッション変更を行った後、マルチパス マップをフラッシュおよびリビルドし、該当の /dev/dm-* デバイスのパーミッションをチェックしてください。

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  • ドキュメント ID:7010571J
  • 作成年月日:03-AUG-12
  • 修正年月日:01-OCT-12
    • SUSESUSE Linux Enterprise Server

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